入試概要

出題形式は大問1~4はマークシート、大問5.6(大問の1部はマークシート)は記述問題が出題されています。
60分で60問の問題数ですので、スピーディーに、何から取り組み、どの問題に時間を費やす必要があるのかを見極める必要があります。

大問1は原始・古代史、大問2は中世史、大問3は近世史、大問4.5は近代史、大問6は現代史という区分で出題されており、現代に至るまで非常に幅広く、全てを網羅していくにはある程度の時間と攻略が必要です。
特に現代史の範囲である、第二次世界大戦以降の範囲においては、ただ出来事の流れや用語を覚えるだけではなく、商学部という学部の特性もあり、政治経済、特に経済において、産業や金融などについて、現在の礎になっているということもあり、国語の読解さながら、骨太な内容で出題されています。

大問5.6は配点が高いのですが、学校の授業ではカリキュラムの兼ね合いもあり、手薄になりがちです。そのような傾向も明らかにはなっておりますので、早いうちに対策を摂る必要があります。

日本史傾向別対策

大問1~4まではマークシート、大問5.6は記述がメインのため、なるべく大問5.6に時間を割きたいところです。
そのためには、最初で躓いていては後半で時間が取れませんので、解ける問題、少し怪しい問題など、瞬時に取捨選択をして、とにかくある程度考えてみて、回答が導き出せないものは後で、など自分なりに印をつけつつ、何分頃にまた見直す、などのスケジュールをしっかり立てた上で進めていく必要があります。

まず、大問1~4について、正文誤文判別がカギを握ります。特に「正しいものと誤っているものを2つ選べ」という問題については、両方正解で初めて得点になります。
ただ、正文誤文判別問題が解ける前提として、まずは正確な史実の理解が求められます。歴史が苦手な方について、まずは全体的な流れ(通史)を整理しましょう。参考書や教科書を元に分かりやすい年表などで、おおまかなあらすじを覚えましょう。この時は細かい用語などは大体でも構いません。まずは全体の流れを叩き込みましょう。
歴史は人の人生の物語のようなものです。そのため、何かのアニメや漫画、小説の登場人物などから歴史的背景を整理するのもよいでしょう。その他、自分や自分の家族や友人などに置き換えて、この状況の時はこう考えるかな、など「他人事」としてではない状態でとらえられるといいでしょう。
この時期は、なぜそうなるのか、人の考えや行動、環境をふまえて関連性を持たせて考える癖をつけておくと、後々楽になります。

次に、ある程度通史が理解できれば、用語を身に着けていきましょう。今までのおおまかな流れの穴埋めのように、一問一答を繰り返し、また、史料問題も合わせてキーワードと史料を関連付けていきましょう。

史料については、教科書や参考書でよく見る史料からの出題と、あまり見たことの無い、専門書に掲載されているような史料からの出題と両方のパターンがあります。しかし、徹底するのは、教科書や参考書に掲載されているものをおさえましょう。
有名史料問題は、その名の通り、誰もが目にしたことあるような史料なので、それについてはある程度の知識が問われます。しかし、誰もが目にしたこと無いような史料については、史料そのものについて問われるのでは無く、その資料に関連した内容の出題となっています。そのため、むやみやたらに専門家しか見ないような史料を読み漁るのではなく、基本の有名史料を、キーワードと関連付けて覚えるようにしましょう。どうしても、見たことない史料が出ると身構えてしましいますが、その必要はありません。

そして、商学部という特性より、政治経済について日頃から関心を持ちましょう。これはどの科目にも共通して言えることですが、なぜそうなるのか、自分だったらどうするかという視点で考え、それを書き留めるもよし、家族や友人と話すもよし。アウトプットをする癖をつけることが何より大切です。これは論述問題の対策だけではなく、国語力を上げる上でも必要です。

そして最後は、過去問や演習を繰り返し、出題パターンに慣れることです。また、特に正文誤文判別を制していくには、誤っている問題に着目し、正しい内容に置き換え、何が違っていたのかを整理することです。
論述問題においては、ポイントとなるキーワードを選び、理論的に記述する練習が必要です。早稲田大学商学部独自の内容ですので、この問題については、しっかり過去問を解いてコツを掴みましょう。

他、番外編としては、学校や塾、予備校のあらゆる授業で、ひたすらキーワードに関連する内容にメモを取り、教科書や資料集に書き込むことも、先ほどのまとめて覚える方法のひとつです。意外と教科書に書き込むだけでも整理することもできます。

ここで記載している方法は事例も含め、参考として捉えていただければ幸いです。覚えやすさは人それぞれですので、自分の弱点を知り、自分のやりやすい方法で、納得のいくまで合格に向かって突き進みましょう。

 

おすすめ参考図書

こちらに挙げているのはあくまで一例です。自分に合った参考書を探してみてください。
新しいものに手を出してしまいがちですが、これと決めたのであれば、何度も何度も繰り返し行うことで、基礎は身についてきます。 
まずは何度も繰り返して自分の参考書を作ってください。

【通史対策】

・石川晶康日本史B講義の実況中継①原始~古代(語学春秋社)
・石川晶康日本史B講義の実況中継②中世~近世(語学春秋社)
・石川晶康日本史B講義の実況中継③近世~近代(語学春秋社)
・石川晶康日本史B講義の実況中継④現代(語学春秋社)
・中高6年間の日本史が10時間でざっと学べる(KADOKAWA)
・金谷の日本史 原始・古代史 改訂版(ナガセ)
・金谷の日本史 中世・近代史 改訂版(ナガセ)
・金谷の日本史 近現代史 改訂版(ナガセ)

【用語・単語集】

・教科書よりやさしい日本史(旺文社)
・詳説日本史 改訂版 ノート(山川出版社)
・山川一問一答日本史第3版(山川出版社)
・実力をつける日本史100題(Z会)
・東進日本史史料一問一答(東進ブックス)
・スピードマスター30日完成日本文化史問題集(山川出版社)

【史料】

・詳説日本史史料集(山川出版社)
・日本史図録(山川出版社)

【論述】

・“考える”日本史論述 改訂版(河合出版)

【過去問】

・大学入試 全レベル問題集 日本史B 5 国公立大レベル 新装版(旺文社)
・センター試験への道日本史問題と解説 単行本(山川出版社)
・早稲田の日本史[第4版](教学社)