1.早稲田大学商学部の「国語」
早稲田大学は、国内の私立大学の中で難関と呼ばれる大学のひとつであり、非常に高い難易度の入学試験が課されています。
この記事では、その早稲田大学商学部の入学試験の中から「国語(現・古・漢)」の「出題傾向」「対策ポイント」「対策におすすめのテキスト・参考書」をお伝えいたします。
「国語」の出題傾向
早稲田大学の商学部では、「現代文」「古文」「漢文」の3つの大問に分かれた国語試験が課されています。
試験時間は60分、配点は60点となっており、60分という短い時間の中ですべての問題を解き切らなければなりません。
設問内容としては、「傍線部内容説明」や「語句空所補充問題」「乱文整序」などが出題されています。
また、記述式の出題もあり、「漢字の書き取り」「10〜15字の短めの説明記述」「脱文挿入」「増文削除」などが過去には出題されています。
記述式の設問は「現代文」で多く出題される傾向にありますが、「古文」「漢文」では全く出題されない、というわけではないので対策が必要です。
ハイレベルの読解力が求められる「現代文」と比べて、「古文」「漢文」においては基礎知識の十分な理解が問われる傾向にあります。
「国語」の対策ポイント
早稲田大学商学部の「国語」を攻略するために、まずはじめに考えておきたいのは「時間配分」です。
60分という短い時間配分の中で、「現代文」「古文」「漢文」すべての設問を解き切る必要があります。
時間配分の例として、「まず古文を20分で解いて、その後現代文を30分かけて解く。最後に漢文に10分使う」などが挙げられるでしょう。
過去問演習をする中で、あなたの得意・苦手を考慮した時間配分をあらかじめ決めておきましょう。
それでは、ここからは「現代文」「古文」「漢文」各科目の対策ポイントについてお伝えいたします。
現代文の対策ポイント
過去問を見ると現代文では、例年およそ3,000〜4,000字の文章が出題されています。
設問内容を見ると、主に「傍線部内容説明」「余分な文章を探す問題」「空欄補充問題」「適切な語を抜き出す問題」などが多いです。
「現代文」「古文」「漢文」の中では、もっとも多く記述式の問題が出題される傾向にあります。
ですので、「適切な説明記述」「漢字の書き取り」「10〜15字の短めの説明記述」「脱文挿入」「増文削除」などの記述問題にも慣れておく必要があります。
「「国語」対策におすすめのテキスト・参考書」でお伝えする、現代文演習のテキストなどを用い、十分に記述問題練習をしておくことが大切です。
早稲田大学商学部の「現代文」は比較的長い文章が出題されることが多いため、「長い文章の趣旨を理解しながら、集中して最後まで読み解く力」が必要になります。
その力を身に着けるためにも、過去問はもちろん、長い文章を取り扱ったテキスト・参考書を十分に演習しておきましょう。
その際、問題を解くだけでなく、筆者の趣旨を要約する「文章要約」という対策をすることをおすすめいたします。
筆者が何を論じ、話がどのように展開しているかを短い言葉で整理する「文章要約」は、長い文章の読解力を上げるためのおすすめの対策方法です。
古文の対策ポイント
次に「古文」の対策ポイントについてお伝えします。
早稲田大学商学部の「古文」は、かつては「漢文」と混合で出題されていたのですが、近年はそれぞれが独立した出題となっています。
過去問を見ると、例年1,000〜1,500字程度の文章が取り扱われており、設問では主に「傍線部の説明」や「語句の空欄補充」などが出題されています。
また、記述式の設問は少ない傾向にあります。
文章の内容は、中世〜近世まで幅広く扱われているため、さまざまな種類の古文に触れておくことをおすすめします。
また、2021年度入学試験の「古文」では、和歌についても取り扱われました。
近年の共通テストでも和歌の出題は増えていますし、句切れ・枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取りなどの和歌の対策も十分にしておくことが大切です。
文章や設問は、早稲田大学の他学部と比べて極端に難しいということはなく、基本的な古文単語、助動詞、敬語などの理解が問われています。
古文は学習に時間のかかる科目ですが、できるだけ早めに学習に取り掛かり、古文の広範囲にわたる基礎知識をしっかりと自分のものにしておきましょう。
漢文の対策ポイント
近年独立した出題となっている「漢文」は、例年の傾向を見ると100字程度の文章や30〜50字程度の漢詩などを出題文章として取り扱っています。
設問は基本「空欄補充問題」や「傍線部の趣旨説明」などのマークシート式で、記述の出題は少ない傾向にあります。
しかし、白文の理解を問うような設問が出されることはあるため、記述問題もあるテキスト・参考書を用いて、自分で返り点を打つなどの対策をしておくとよいでしょう。
早稲田大学商学部の「漢文」対策は、特別なことが求められるというよりは、「返り点」や「再読文字」などの句法、「五言七言・律詩絶句」「対句」といった漢詩の知識などを十分に身につけておくことが求められます。
「現代文」対策においては高度な文章の演習が必要ですが、「古文」「漢文」対策においては基本知識を十分に固めておくことが大切です。
早い時期に一度過去問に挑戦し、「今の自分の学力」と「合格に必要な学力」の差を把握して、優先順位をつけた対策をしていきましょう。
「国語」対策におすすめのテキスト・参考書
この項では、早稲田大学商学部の「国語」対策におすすめのテキスト・参考書をお伝えします。
現代文学習におすすめのテキスト・参考書
『現代文キーワード読解』(Z会出版)
『出口の現代文レベル別問題集3, 4, 5, 6』(ナガセ)
現代文では、「漢字」「現代文でよく扱われるテーマへの理解」「読解力と設問を理解して解く力」が求められます。
上に挙げた3つのテキストはそれぞれ「漢字」「現代文のキーワード」「問題演習」をできるテキストとなっているため、取り組むことで現代文に必要な能力を身につけていくことができます。
『出口の現代文レベル別問題集3, 4, 5, 6』には記述問題も含まれていますので、早稲田大学商学部「現代文」の対策としても適しているといえるでしょう。
古文学習におすすめのテキスト・参考書
『読んで見て覚える 重要古文単語315』(桐原書店)
『ステップアップノート30古典文法トレーニング(三訂版)』(河合出版)
古文の対策では、「古文常識」「古文単語」「古典文法」を押さえておくことが何より大切です。
古文では、上記の3つは基礎知識として必須のものであるといえるでしょう。
しかし、多くの受験生が「古文単語」「古典文法」の対策を一生懸命にする一方で、「古文常識」の対策をおろそかにしている場合が少なくありません。
「古文常識」への理解があれば、読解力は飛躍的に向上するので、「古文単語」「古典文法」の学習の前、もしくは並行して『読んで見て覚える 古文攻略マストアイテム76 <常識・文法・和歌>』の常識編を読み、早い段階で「古文常識」を身につけることをおすすめします。
漢文学習におすすめのテキスト・参考書
漢文は古文と比べると、学習しておくべき内容はかなり少ないといえるでしょう。
ですが、早稲田大学商学部の「漢文」を攻略するためには、「返り点」「再読文字」「漢文で頻出する漢字」「漢詩の知識」などを十分に理解しておく必要があります。
ですので、後回しにしてしまうのではなくできるだけ早く対策をして、余裕を持って現代文・古文対策にあたれるように、学習を進めていくことをおすすめします。
まとめ
ここまで、早稲田大学商学部「国語」の「出題傾向」「対策ポイント」「おすすめのテキスト・参考書」についてお伝えいたしました。
早稲田大学は国内の私立難関大学ですので、それぞれの科目について十分な対策が必要になります。
「現代文」「古文」「漢文」についても、基礎学習を固めたうえで、十分に過去問に取り組んでおくことが大切です。