早稲田大学商学部の「国語」
早稲田大学は、日本の私立大学の中でも特に人気のある大学のひとつです。
そんな早稲田大学の入学試験は、学部ごとに出題内容や傾向が異なることもあり、それぞれの学部に特化した対策が必要とされます。
この記事では、「商学部の国語」の傾向と対策について、お伝えいたします。
早稲田大学商学部.「国語」の出題傾向
早稲田大学商学部の「国語」は、「現代文」「古文」「漢文」の3つの大問から構成されています。
試験時間は60分、配点は60点で、解答方式は記述式とマークシート式の両方が用いられます。
主に「傍線部内容説明」や「語句の空所補充問題」「乱文整序の問題」がマークシート式で、「漢字の書き取り」や「10〜15字などの短めな説明記述」「脱文挿入」「増文削除」などが記述式として出題されています。
記述式はバリエーションに富んだ出題が為されているため、十分に過去問にあたっておくことが求められます。
記述式の問題は現代文だけでなく、古文・漢文でも出題されています。
古文においては「適切な箇所の抜き出し」「古典常識の事項記述」、漢文においても「白文への返り点記述」などの出題の可能性があります。
漢字や四字熟語、故事成語、古典常識などが問われることもあるため、そういった対策もしておきましょう。
ここ最近、「国語」全体の文章量はやや増加傾向にあるといえるため、「長い文章を集中力を持って読み解く力」が必要となります。
それでは、ここからは「現代文」「古文」「漢文」それぞれの傾向について、詳しくお伝えいたします。
現代文
過去問を参考にすると、現代文では、およそ3,000〜4,000字の文章が出題されています。
設問では、「余分な文章を探す問題」や「空欄補充問題」、「適切な語を抜き出す問題」などが問われています。
大学入試で扱われることの多い、「文明論」や「社会論(経済なども含む)」「芸術文化論」などが多く取り扱われており、大学入試全体で見るとやはり難易度は高めといえるでしょう。
ただ、早稲田大学の他学部に比べると比較的読みやすい文章が扱われることが多いようです。
早稲田大学商学部「国語」の試験の中では、この「現代文」に記述式の設問が多い傾向があるため、あらかじめ「現代文の記述問題」に慣れておく必要があります。
「「国語」対策におすすめのテキスト・参考書」で挙げるテキスト・参考書を用いて、しっかりと記述対策を行なっておきましょう。
古文
古文では、例年1,000〜1,500字程度の文章が出題されています。
「傍線部説明」や「空欄補充」が主な設問として設定されており、記述は少なめな傾向にあります。
出題内容は、過去問を見ると近世の作品が多いですが、近世の作品ばかりというわけではなく中世〜近世までの幅広い題材が取り扱われています。
2021年度の入学試験では「和歌に関する出題」もありました。
共通テストでも和歌の出題は増えていますし、句切れ・枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取りなどの和歌の対策も十分にしておくことをおすすめします。
漢文
早稲田大学商学部の漢文では、100字程度の文章や、30〜50字の漢詩などが取り扱われています。
漢文で必須の「返り点」や「再読文字」などの学習はもちろん、漢詩対策として「五言七言」「律詩絶句」「対句」などの学習もしておくことをおすすめいたします。
設問は「空欄補充問題」や「傍線部の趣旨説明」が主で、記述の設問は少ない傾向にあります。
「国語」の対策ポイント
早稲田大学商学部の「国語」を対策するには、まず「時間配分」を十分に考えておくことが大切です。
60分という短めの試験時間で「現代文」「古文」「漢文」を解き切るためには、例えば「先に古典を20分で解き、その後現代文を30分で解く、最後に漢文に10分使う」などの時間設定を、あらかじめ過去問に取り組む中で行なっておくとよいでしょう。
現代文の対策
現代文は比較的長めな文章が出題されるので、趣旨を理解しながら最後まで集中して読み切る力が必要です。
その力を養うための方法として、「文章要約」はおすすめの方法のひとつです。
筆者が何を論じていて、話がどのように展開していくのかを常に意識しながら読み、適切な要約ができるようにしておきましょう。
「文章要約」の演習は、適切な部分を選び取り、自ら記述することで、読解力を高めるだけでなく、記述の対策にもなります。
古文の対策
ここ数年、早稲田大学商学部の「国語」では、古文と漢文はそれぞれ独立して出題されています。
極端に難易度が高いというわけではなく、基本的な古文単語、助動詞、敬語などの理解が身についていれば解ける問題が多いため、古文の広範囲にわたる基礎知識をしっかりと固めておきましょう。
漢文の対策
文章や漢詩が出題されます。
こちらも平均的な難易度の出題が多いので、基本的な「返り点」「再読文字」などの知識や、漢詩における「句法」などをしっかりと固めておきましょう。
白文の理解を問う問題も出題されるので、記述問題もあるテキスト・参考書を用いて、自分で返り点を打つ練習もしておくことをおすすめします。
「国語」対策におすすめのテキスト・参考書
ここでは、国語学習においておすすめのテキスト・参考書をお伝えいたします。
現代文学習におすすめのテキスト・参考書
『現代文キーワード読解』(Z会出版)
『出口の現代文レベル別問題集3, 4, 5, 6』(ナガセ)
現代文では、「漢字の知識」「現代文でよく問われるテーマに関する知識」「読解力と設問に適切に解答する力」が求められます。
上記の3つのテキストは、そのそれぞれの力を身につけていくために使用することができるテキストです。
最後の『出口の現代文レベル別問題集3, 4, 5, 6』は、記述問題の演習も豊富にできるので、早稲田大学商学部「国語」の対策にも適しているといえるでしょう。
古文学習におすすめのテキスト・参考書
『読んで見て覚える 重要古文単語315』(桐原書店)
『ステップアップノート30古典文法トレーニング(三訂版)』(河合出版)
古文学習においては、「古文常識」「古文単語」「古典文法」の理解が非常に重要です。
この中でも「古文常識」の学習は少しおろそかにされることが多いように思います。
ですが、「古文常識」がわかるだけで、多くの古文は非常に読みやすくなります。
『読んで見て覚える 古文攻略マストアイテム76 <常識・文法・和歌>』では、古文ではなく、現代語で古文常識について詳しく解説してくれているので、その部分を読むだけでも「古文常識(平安時代の貴族の考え方、暮らしなど)」の理解を深めることができます。
「古文常識」を身につけた上で「古文単語」「古典文法」の基礎をしっかりと身につけ、早稲田大学商学部の古文を読解できるようになっていきましょう。
古文は学習に時間のかかる分野なので、早め早めから学習することをおすすめします。
漢文学習におすすめのテキスト・参考書
漢文は古文と比べ、押さえておくべき事項は少なめです。
ですが、早稲田大学商学部の漢文を読み解くためには、返り点や再読文字などの「句法」「漢詩の知識」を理解する必要があります。
このテキストは、それらの知識をほぼ網羅した内容となっているので、漢文の学習に適しています。
漢文の基礎を固めるのは、古文の基礎を固めるよりも短時間で行うことができますが、余裕を持って仕上げておきましょう。
まとめ
ここまで、早稲田大学商学部「国語」の「出題傾向」「対策ポイント」についてお伝えいたしました。
現代文については記述対策までの演習を、古文・漢文については基礎知識をしっかりと学習していくことで、早稲田大学商学部の合格を目指していきましょう。
この記事の情報があなたの学習のお役に立てば幸いです。