早稲田大学文学部の日本史は、ほとんどが標準レベルの問題とはいえ、全時代が狙われる可能性のある難関試験となっています。また、例年幅広い分野から出題されている点も大きな特徴です。この傾向を受けて、何より教科書に記載されている用語・歴史事項を、流れに沿って取りこぼすことなく正確に覚えることが求められます。また、文学部特有の史料問題対策も入念に行うことが大切です。
今回は、早稲田大学文学部の日本史で高得点を取るため役立つであろう「試験当日の解答方法」や「教科書をベースとした対策方法」について、ご紹介していきます。ぜひ、ご一読ください。

試験当日の解答方法

早稲田大学日本史の試験時間は、60分です。問題は、小問45問を含んだ、大問6題からなります。すなわち、1問あたり8〜10分程度のペースで解答する必要があります。時間に対して問題数が多いので、効率よく解き進めることが大切です。どの大問も単答問題のため、順番を気にする必要はありません。ただ、大問6の美術史問題は、例年かなり難易度が高いので、考え込んでしまう可能性があります。よって、確実に得点できる大問1〜5までを先に解くことをおすすめします。その中でも、得意・不得意は当然あるはずです。試験の最初にざっと問題文を見て、解きやすそうな大問から解答していく癖をつけてください。そして最後に、大問6にじっくり向き合うと良いでしょう。

【結局、最適解だった】高得点を取るために行う基礎勉強3ステップ

早稲田大学文学部の日本史を攻略するために最も重要なことは、基本的な問題をいかに高確率で正解するか、に尽きます。1つのことを深く突き詰めて理解し、暗記するまで勉強するより、とにかく教科書や一問一答を周回することにこだわってください。
基礎対策で、9割正解を目指しましょう。それを実現させるのに有効な3つのステップについて、以下にご紹介します。

ステップ1:まずは、教科書を何周もし、日本史の流れ・基本事項を正確に理解する

まずは、教科書を繰り返し使用し、日本史の流れを身に着けます。流れと同時に、教科書に出てくる基本用語も覚えていきます。教科書に加えて、用語集を併用すると、より理解が進むでしょう。その際には、用語の意味のみならず、事件がおこった背景・結果なども正確に把握するようにすると応用がききます。
早稲田大学文学部の日本史の問題は、標準的な問題がほとんどで、難問は1割程度なので、このようにして教科書レベルの基本事項を正確にマスターすることが、最も重要なことだといえます。逆に言えば、基本的な問題で失点すると、合格に響きます。
流れの中で重要用語を身に着けていくには、自分だけの時代の流れがわかるノートを作成するのがおすすめです。それを土台として、細かい知識を加えていくと良いでしょう。知識を上乗せしていく際、あるいは難しい問題に直面した際、このノートに戻って基本のおさえ直しをすると、ブレが生じません。

ステップ2:一問一答を繰り返しさらに知識を深める

一問一答は、ある程度教科書を読み込み、歴史の流れ、重要用語が頭に入ってから取り組むと効果的です。教科書や用語集を使ってインプットしたら、今度は一問一答で、本当に頭に入っているか確認します。これにより、単語や人物名を完璧に暗記できます。記述問題においては、正しい漢字が書けることが重要です。手を動かしながら、確実に覚えるようにしましょう。一問一答についても、繰り返すことが大切です。何周もすることで、より効果が期待できます。

ステップ3:基礎知識が深まったら、いざ過去問に挑戦!

教科書や用語集、一問一答集により日本史の基礎を身に着けたら、過去問に挑戦しましょう。早稲田大学文学部の日本史は、基本的な知識を問う問題がほとんどですが、中には特殊な問題も見られます。過去問を解いて、問題パターンに慣れることが大切です。同じ内容の出題も見られるので、やっておいて損はないです。

基礎勉に取り組む心構えとコツ

苦手分野の対策を後回しにしない

早稲田大学文学部の日本史の出題傾向を見ると、ある程度の偏りはあるものの、全範囲にわたって問題が出されていることに気付きます。よって、全時代・全分野を満遍なく理解し、覚えておくことが求められます。
苦手な時代・分野に関しては、【2.1 ステップ1:まずは、教科書を何周もし、日本史の流れ・基本事項を正確に理解する】で、ご紹介した「時代の流れがわかるノート」の重要語句を赤字にして、シートで消しながら、頭に入るまで何度も繰り返し確認しましょう。覚えていないものにチェックを入れ、覚えたらチェックを消していくと、達成感が味わえます。

正誤問題は、とにかく慣れが大切

先に述べたように、早稲田大学文学部の日本史の問題は、基本的な知識さえ身についていれば、だいたい解けます。カギとなる正誤問題を解く際も、例外ではありません。
ただ、他の問題パターンと比較すると、正誤問題の場合、基本的な知識のみならずかなり細かい知識が求められるということを覚えておいてください。それを念頭に置き、先にご紹介した勉強法を実践しましょう。まず、用語集で語句の意味をおさえつつ教科書で流れを掴み、さらに一問一答集を使用し、本当に知識が身についているか確認するという方法です。これは他の問題パターンの対策法と同じなので、早稲田大学文学部の日本史の受験問題対策の鉄則通り、ステップ1、ステップ2を行えば、それで問題はないです。
そしてある程度知識が頭に入ったら、他の問題と同様、過去問に挑戦してみて下さい。最初のうちは、答えを選んだものの自信が持てず、正誤問題に対して苦手意識を持つこともあるかもしれません。それを乗り越えるため、この問題パターンに慣れるまでは、選択肢1つ1つに対し、教科書や用語集を見ながら、「この部分はあっている」「この部分が間違っている」とメモをとって、丁寧に取り組むことをおすすめします。問題を解くというより、分析するといった姿勢で臨みましょう。時間はかかりますが、確実に力はつきます。この作業を繰り返すうちに、狙われるポイントはどこか、パターンが見えてきます。傾向がわかれば、問題を解くスピードもぐんとアップします。
あとは、さらに練習を重ねることが大切です。過去問を全てやり尽くしたら、センター試験の過去問を解いてみるのもおすすめです。

文化史・史料問題対策も忘れない

早稲田大学文学部の日本史では、文化史が必出となっています。通史ばかりに気を取られすぎることがないよう、文化史対策も忘れず行ってください。
具体的には、図説・史料集を必ず隅々まで何度も読み返し、美術品(仏像・建築物・絵画等)の名前とあわせて外観も把握するように努めましょう。あとは、過去問を解いて、どんな形で出題されるか確認してください。
史料問題は近年出題されていませんが、万一のことを考えて、念のため史料集に目を通しておくと安心です。

まとめ

早稲田大学文学部の日本史の入試問題は、教科書レベルではあるものの、全時代が狙われる可能性のある難関試験であるという傾向を受けて、教科書、用語集、一問一答集、過去問を使った対策法をご紹介しました。また、文化史対策として、図説、資料集の活用もおすすめしています。ぜひ、この記事を参考に対策を練り、そして実行し、合格を掴み取ってください。