早稲田大学の文学部の英語は毎年ほぼ同じ傾向の問題が出題されています。
傾向さえつかめば、対策は容易ということです。
本記事では、文学部の英語の傾向をもとに合格を勝ち取るための対策方法をまとめました。
ポイントは4つ。
1つずつ取り組んでみましょう。

文学部 英語の傾向とは

早稲田大学の文学部は、例年倍率の高い人気学部です。
その中でも英語は問題の傾向がほとんど変わらず、多くの受験生が過去問などを解いて対策して本番に臨むでしょう。
英語の問題は5つの大問で作られています。
大問1~4は選択式問題、大問5は英作文を書く記述式問題です。
選択式問題が多いのですが、90分では時間が足りないという声をよく聞くほど、英文の量が多い傾向があります。
詳しい傾向は別の記事でまとめていますので、ここでは全体的な文学部英語の特徴をまとめていきます。
1つめの特徴は、すべての問題が長文読解であるということです。
空所に適切な単語を選ぶ問題も出題されますが、その空所問題そのものが200語以上の長文となっています。
適切な単語を選ぶために、ある程度その英文を読んで主旨を理解する必要があるのです。
また、設問自体も長文になっている「脱文補充問題」も出題されます。
とにかく読む英文の量が多いことが一番の特徴と言えるでしょう。
2つめの特徴は、設問もすべて英語だということです。
早稲田大学の中には、設問は日本語で出題される学部もありますが、文学部はすべて英語で記載されています。
問題文のみでもトータルの英文量が2500語前後あるので、設問まで丁寧に読んでいては時間が足りません。
幸いなことに毎年問題の傾向はほとんど変わらないので、過去問などで英語の設問に慣れる時間をしっかりと確保することが重要でしょう。
以上の特徴を踏まえて、合格のための対策ポイントを見ていきましょう。

■合格対策ポイント① 早めに単語帳1冊を完璧にする

文学部の英語対策のカギは「語彙力」です。
まず、試験全体の英文量が非常に多いので、単語を見て直感的に内容を理解できなければ時間が足りなくなってしまいます。
ただ、問題自体に使われている単語は標準レベルのものがほとんどです。まずはお手元にある単語帳で構いませんので、完璧に覚えることから始めるのがよいでしょう。
また、単語を覚えるときに必ず意識してほしいのが、類義語や言い換え表現を一緒に覚えることです。
文学部の英語では、長文の内容と一致する英文を選ぶ問題や、英文を自分の言葉で要約する問題が出題されます。
たとえ本文の内容が理解できたとしても、別の表現や言葉を使って同じ内容を伝えることができなければ、点数を伸ばすことはできないのです。
1つの単語を覚える際に「頻出の言い換え表現はなんだろう」と一度考えたり調べたりしてみてください。
がむしゃらに単語を覚えるよりも圧倒的に語彙力が高まるはずです。

■合格対策ポイント② 速読の練習の常に行う

語彙力と同じくらい、文学部の英語で高得点を取るために必要なのは「速読」です。
先ほども、文学部の英語は英文量が非常に多いとお伝えしました。
語彙力があれば、英文を読んである程度の意味をつかむことは可能でしょう。
ただ、問題によっては800語の長文を出題されるため、単語の意味を要所でつかむだけでは、全体の主旨をつかみきることは困難です。
そこで必要なのが速読の力です。
具体的には、英文を日本語に訳して理解するのではなく、頭から読んだ順で理解していく力のことを言います。
日本語と英語は文法がまったく違うので、多くの人は英文を読むときに「返り読み」をしていると思います。
返り読みとは、英語を日本語の順番に直すために、前や後ろに行ったり来たりしながら英文を読む方法です。
たとえば、英語は「主語+述語+目的語」の順で書かれていますが、読むときは「主語→目的語→述語」と読む人がほとんどでしょう。
短文の場合は返り読みで対応することができますが、文学部の英語のように何百語の長文が何個も出題されていると、返り読みでは時間が足りなくなってしまいます。
そのため、英語で書かれている語順のまま読んで、英文を理解する速読を訓練しておく必要があるのです。
速読は一朝一夕で身につくものではありません。
語彙力とともに、早い段階で勉強をスタートさせておくとよいでしょう。

■合格対策ポイント③ 長文を一言でまとめる要約力を鍛える

ポイント③は、主に大問5の対策になります。
大問5は唯一の記述式問題です。
1つの長文を読み、その内容を要約して英語でまとめるよう指示を出されます。
この大問5の特徴は2つあります。1つは、自分の言葉でまとめるよう設問に記載されていることです。
つまり、本文中の表現を使うことができません。
ただ、対策ポイント①でお伝えしたように、語彙力を高める対策をしておけば、言い換え表現に困ることは少なくなるでしょう。
ここでのポイントとなるもう1つの特徴は、要約する際に指定される語数が非常に少ないことです。
傾向としては10語前後で、英語一文でまとめることになります。
英作文に限らず、長文を一言でまとめるには「この文章が本当に伝えたいことは何か」を正確に読み取る力が必要です。
本文中の具体的な数字や固有名詞に引っ張られず、全体の主旨をつかみ取り、それをまとめる要約力が必須となります。
この要約力も速読と同様、一朝一夕では身につきません。
日頃から、英文を読んだら自分なりの言葉でまとめてみたり、英文にタイトルをつけてみたりしましょう。
問題集や過去問を解くだけでは十分に鍛えることはできないので、自ら意識して取り組む必要があります。

■合格対策ポイント④ 同じ傾向の他学部の過去問を解く

ここまでのポイントは「語彙」「速読」「要約」でした。
これらを早い段階で対策していき、ある程度、文学部の英語を解けそうだと感じたら過去問に取り組む人も多いでしょう。
多くの受験生が10年分の過去問に取り組んでいたようです。
はじめにお伝えした通り、早稲田の文学部英語は傾向がほとんど変わらないので、本番と同様の時間で過去問に取り組むのは非常に効果的な勉強方法と言えるでしょう。
文学部の過去問に取り組んだ人に追加でぜひ行なってほしいのが、他学部の英語の過去問も解くことです。
具体的には、文学部と同じく設問が英語で出題されている「政治経済学部、法学部、理工系学部、国際教養学部、文化構想学部」の過去問です。
過去問を解くことの一番の利点は、本番に慣れることです。
そのため、文学部と同じく設問まで英語となっている英文量の多い試験は良い経験になるでしょう。
とくに、文化構想学部は文学部と学部特性も近く、英語の試験の傾向も非常に似ています。
ぜひ文学部だけでなく、他学部の過去問にも取り組んで万全の対策をしてください。

文学部の英語は傾向が変わらないからこそ、対策がしやすい

いかがでしたでしょうか。
早稲田大学の文学部はレベルも倍率も高く、容易に合格できる学部ではないかもしれません。
しかし、英語は問題の傾向が分かりやすいので、志望した時点で対策をスタートすれば十分に高得点を狙うことができます。
問題の傾向を正確に把握して、限られた時間を有意義に活用して合格を勝ち取ってください。