法学部の英語、全体の傾向
早稲田大学法学部英語の対策をする際に、まず注意しておきたい点が1つあります。
それは、他大学に比べ、解くべき問題量が非常に多いということです。
特に文章量が多いため、受験勉強の早い段階で英単語や英文法などの学習をある程度終え、長文演習をたくさんしておく必要があります。
長文演習においても、ただ「長文をたくさん読む」のではなく、前から前から読み下す英文読解のスキルを向上させなければ高得点を狙うことは難しくなります。
(英文読解のスキルについては「長文対策」にて詳述)
90分という限られた時間で、膨大な量の問題を解きこなすためにも、早稲田大学法学部英語問題の対策をしっかりと進めていきましょう。
それでは、「法学部英語の出題内容」と「法学部英語の攻略法」について、以下で順を追ってお伝えいたします。
法学部英語の出題内容
第2章では、早稲田大学法学部の出題内容についてお伝えします。
まず、早稲田大学法学部の英語においては、リーディングスキルとライティングスキルの両方が求められます。
問題数が他大学と比べても多い中で、上記の問題を解き切るためには、高度な情報処理能力・速読能力が必要になります。
大問構成
それでは実際の大問構成を見てみましょう。(大問構成は年度によって変化があることもあります。下記の大問構成は、例年の出題から分析したものです)
第2問 長文読解
第3問 正誤問題
第4問 空欄補充
第5問 文法問題
第6問 英作文
第7問 英作文
以上のように、第1問〜第5問までがいわゆるリーディングの問題で、第6問・第7問がライティングの問題となっています。
時間配分
試験において非常に大切なのが、この「時間配分」です。
事前に過去問を何度か解き、「自分にとって一番有利な時間配分」を把握しておく必要があります。
ここでは、「早稲田大学法学部英語の時間配分」の一例をご紹介します。
・第3問〜第5問の知識問題に13分
・第6問の英作問題に7分
・第7問の自由英作問題に15分
・計85分(試験時間90分)
上記は一例ですが、長文や英作は時間を短縮することが難しいので長めに時間を取り、知らなければ答えられない第3問〜第5問の知識問題の時間をできるだけ短縮するのが、一般的な戦略のひとつといえます。
早稲田大学法学部英語の長文は1,000〜1,300語程度のものが多く、随筆や小説になると文章が長くなる傾向があります。
もし、1,300語程度の長めの長文が出た場合にも読み切ることができるように、速読能力をしっかりと身につけておく必要があります。
知識問題の第3問〜第5問では、誤文訂正や前置詞・副詞などを選択させる問題、空所補充の問題などが出題されます。
こうした知識問題は、時間をかけて悩んでも、知らなければ正解できない問題が多いため、ここでできるだけ時間を短縮したいところです。
また、英作問題(第6問)は、2017年から図表の読み取りが出題され始めました。
図表を読み取ってライティングをする練習を十分にしておく必要があります。
第7問では、第6問の図表の読み取りを踏まえて、自己の意見が問われる自由英作などが出題されます。
「自分の意見」が必要とされますので、日頃からニュースや時事などに触れ、ある程度の自分の意見を持ち、それを英語で表現できるようになっておくと有利です。
自由英作については、過去問を参考にする限り、100語ほど書ければ問題ないといえるでしょう。
法学部英語の攻略法
ここからは、重要な「早稲田大学法学部英語の攻略法」について、「長文」「英作」「単語」「本番直前」の4つに分けてお伝えいたします。
長文対策
長文対策で重要なことは、「まず基礎的な英文法を身につけ」「長文演習を積み重ねながら、前から読み下していく英文読解に十分慣れていく」ことです。
※「前から読み下していく英文読解」とは、別名「スラッシュリーディング」とも呼ばれ、英語の文章を返り読みせずに読み下していく読み方のことを指しています。
例えば、以下のような文章をスラッシュリーディングする場合を考えます。
その場合、以下のように頭の中でスラッシュを打ちながら訳していきます。
At that time,/ there was a shortage of houses/ which residents lived in/ in many areas of that country,/ so the government built many apartment buildings/ for people’s welfare./
そして、前から前から、以下のように訳して理解していきます。
当時/ 家の不足があった/ 住民が住む(家)/ その国の多くのエリアで/ だから、政府は多くのアパートを建てた/ 人々の福祉のために。/
このように前から前から文章のかたまりを掴んで訳していくことで返り読みをすることがなくなり、大幅なリーディングスピードの向上につながります。
実際、ネイティブや英語能力の高い人は、頭の中で英語をこのように理解しています。
ですので、英語能力を高める際に、この「スラッシュリーディング」と呼ばれるスキルは欠かせないもののひとつとして挙げられます。
この読み方ができるようになるためには、「英語の構造を理解した上で」「スラッシュリーディングを実践しながらたくさんの英語長文を読む」ことが必要になります。
そのためにおすすめの参考書には、以下のようなものがあります。
英文構造理解のために
『英文解釈の技術100』
『ポレポレ英文読解プロセス50』
長文読解実践のために
『やっておきたい英語長文700・1000』
『イチから鍛える英語長文700』
それから、もちろん『早稲田大学法学部(過去問)』はできるだけ早い時期にやっておくことをおすすめします。
早い時期に解いておくことで、「自分の現在位置と目標とするレベルの差」を把握することができ、学習計画を立てる際に非常に役立ちます。
英作対策
早稲田大学法学部の英作の対策には、「英文エッセイの基本構成・書き方を身につける」ことがおすすめです。
また、実際に英作をしてみた後は、学校の先生や塾の先生に添削してもらうことをおすすめします。
添削してもらうことで、文法や単語、熟語などのミスを確認し修正できますし、自分の知らない表現なども教えてもらうことができるかもしれません。
英作学習のためにおすすめのテキストは以下のものになります。
英作学習のために
『〔自由英作文編〕英作文のトレーニング』
単語対策
英語学習において、「単語学習」は避けて通れないものです。
早稲田大学法学部英語では、大学受験上級レベルの単語・熟語の知識を身につける必要があるため、以下のような英単語帳をしっかりとこなす必要があります。
単語帳テキスト
『DUO3.0』
『速読英単語[必修編・上級編]』
また、単語帳だけでなく、「解いた模試や過去問の中で分からなかった単語や熟語」を復習し覚えていくことも非常に重要です。
単語学習は、「書いて覚える」「見て覚える」「読んで覚える」などさまざまな学習方法があります。
ぜひ、「自分に合ったストレスを感じにくい単語暗記方法」を探すことをおすすめします。
本番直前対策
本番直前には、もちろん赤本(過去問)で対策をしていくことが大切です。
赤本や模試の復習を念入りに行い、なぜ間違えたのかをはっきりさせて自分が理解できていない部分を無くしていき、「取れなかった問題を取れる問題にしていく」ことで確実に点数を上げていくことができます。
また、過去問を「予定している時間配分」で何度もこなすことで、本番でも落ち着いて問題を解くことができる確率が高まります。
ぜひ、以上のようなことをしっかりと準備し、本番では「あとはいつも通り解くだけだ」という状態に持っていくことをおすすめいたします。
まとめ
ここまで、「早稲田大学法学部の英語、全体の傾向」「出題内容」「攻略法」について、お伝えしてきました。
大学受験というものは、どうしても緊張してしまうものだと思います。
ですので、できるだけ「準備できるところはしっかりと準備をして」臨んでみてください。
そうすることで、本番の緊張を軽減し、高得点を得ることにつながるはずです。
あなたの学習に、この記事の情報が少しでもお役に立ったなら幸いです。