早稲田大学「社会科学部の英語」

早稲田大学「社会科学部の英語」は、試験時間が90分、配点が50点の試験となっています。
早稲田大学の入学試験は、学部ごとに異なる問題傾向を持っていますが、その中でも「社会科学部の英語」は長文が多く出題されています。
この記事では、早稲田大学「社会科学部の英語」に特化して、「出題傾向」「対策ポイント」「英語対策におすすめのテキスト」について、お伝えいたします。

「英語」の出題傾向

「社会科学部の英語」の全体の出題傾向は、過去問を参考にすると以下のようになっています(もちろん変更が加わる可能性はあります)。

・時事がテーマの出題が多い
・長文の文章量が多い
・全問マークシート式

そして、大問構成は以下のようになっています。

・大問1、文法問題
・大問2〜5、長文問題

上記を見れば分かるとおり、問題の大半が長文問題で構成されています。
十分な基礎力と、長い長文を読み切る集中力、読解力が必要になるといえるでしょう。
それではここから、「文法問題」「長文問題」それぞれの傾向についてお伝えいたします。

大問1、文法問題

大問1では、文法問題が問われます。
「短文の中から誤った英語表現を見抜く誤文指摘問題」なのですが、一般的な類似問題と異なり、「ノーエラー」の選択肢も含まれています。
そのため、苦手意識を持つ受験生も多くいます。
ですが、それは裏を返せば「他の受験生と差をつけられる問題」であるともいえるので、十分に対策をしておくことをおすすめします。
極端に高難易度な文法知識やマイナーな文法知識を問うというよりは、「基本的な文法知識がしっかりと理解できているか」を問う問題が多いので、標準レベルの問題には確実に正解できるようにしておきましょう。

大問2〜5、長文問題

例年は2,000語〜3,000語程度の長文の出題が多かったのですが、2021年度の英語試験では、4,000語程度の長文が大問2〜5の4題扱われています。
難易度も標準〜難のレベルであるため、十分な長文問題演習をしておく必要があります。
設問は、主に「空所補充」「同義語選択」「内容理解」から成り、設問自体はそこまで独特の形式ではありません。
ただし、「10択の中から2つ、文章内容と一致している文章を選ぶ」など、回答するのに時間がかかる設問も出題されています。
「文章内容を素早く理解する速読力」と、「設問から正答を素早く見つけ出す力」が求められます。
複数の選択肢から正答を選ぶ問題は、「消去法で選択肢を絞る力」が求められるので、同程度の難易度の長文演習をする中で十分に慣れておきましょう。
また日頃から、理解できなかった英文をそのままにせず、単語や文法構造・イディオムなどを後から調べ、分からない英語表現をひとつひとつ分かるようにしておくことが大切です。

全体の傾向

以上のように早稲田大学「社会科学部の英語」では、「基礎的な文法をしっかり固めておくこと」と「時事などを扱った難易度の高い長文を素早く、意味内容を理解しながら読むこと」が求められます。
なので、「英文法」「英語長文」の学習を早い時期から行なっておくことが大切です。
「英文法」では、夏までには基礎的な事項の学習を終え、できるだけ多く演習を重ねていくことをおすすめします。
特に、「関係代名詞」「現在完了形・過去完了形」「現在分詞・過去分詞」「分詞構文」「仮定法過去・仮定法過去完了」などは、一度で十分に理解することがむずかしい単元なので、問題演習を重ねる中で理解を深めておくことをおすすめします。
「英語長文」については、標準レベルからステップを踏み、できるだけ早く早稲田大学「社会科学部の英語」レベルの長文にチャレンジできるようにしておきましょう。
「「英語」の対策におすすめのテキスト」に挙げるようなテキストを活用して、高難易度の長文問題で高得点を取れる力を身につけられれば理想的です。
そしてなにより、過去問に取り組むことが大切です。
夏などのできるだけ早い時期に一度以上過去問を解き、「自分の今のレベル」と「早稲田大学社会科学部合格に必要なレベル」を把握して、その差を埋める学習を進めていきましょう。

「英語」の対策ポイント

早稲田大学「社会科学部の英語」の対策ポイントは、上記でも少し触れたように「英文法」「長文読解」、そして「英単語」と「時間配分」が挙げられます。
以下で、「英文法」「長文読解」「英単語」「時間配分」それぞれの対策ポイントについてお伝えいたします。

英文法

「英文法」の対策は、大問1の文法問題で必要になります。
マイナーな英文法に詳しくなる必要はあまりありませんが、大学受験で求められる基礎的な英文法の知識が必要です。
文法書で基礎的な英文法事項を習得した後、「基礎的な文法問題〜ハイレベルな文法問題(過去問含む)」の演習を重ねる、という対策をおすすめします。

長文問題

「長文読解」の対策としては、なによりまず「長い文章を読むことに慣れること」が挙げられます。
早稲田大学「社会科学部の英語」は、大問2〜5が長文問題で構成されており、それぞれの文章量が4,000語程度と比較的長くなっています。
速読力・精読力を上げるために、同じくらいの難易度・文字数の長文をできるだけ多く読みこなしておきましょう。
その際、ただやみくもに読むのではなく、「パラグラフリーディング(段落ごとのまとまりを意識しながら読む読み方)」「スラッシュリーディング(英文を前から前から読み下していく読み方)」「文章要約(長文の意味をうまく捉えられているかの確認)」をすることをおすすめします。

英単語

早稲田大学「社会科学部の英語」において、「英単語」はかなりの語彙力が求められます。
『システム英単語』や『ターゲット1900』を学習し、余裕があればさらにハイレベルな英単語帳の学習に進みましょう。
余裕がない場合には、『システム英単語』や『ターゲット1900』を周回しつつ、過去問や模試で「分からなかった単語・イディオム・英語表現」を確実に覚えていくことをおすすめします。
「分からなかった問題を分かるようにしておくこと」は、確実なスコアアップの方法なので、復習を怠らず対策をしておきましょう。

時間配分

「時間配分」については、他の試験と同様に、あらかじめ時間を測りながら過去問を解いて、時間配分を考えておきましょう。
自分の得意・苦手によっては、「長文に先に取り組み、文法は後に取り組む」ほうが高得点を狙えるかもしれません。
自分の得意・苦手を把握し、もっとも自分に適した時間配分を考えておきましょう。

「英語」の対策におすすめのテキスト

ここでは、早稲田大学「社会科学部の英語」対策におすすめのテキストをお伝えいたします。

英文法

①『頻出英文法・語法問題1000』
②『英文法ファイナル問題集 標準編・難関編』
③『ポレポレ英文読解プロセス50』
④『英文解釈の技術100』

英文法の基本的な理解がある場合には、上記のようなテキストを使い、「基礎的な問題〜ハイレベルな問題」まで解きこなせるようになっておくことをおすすめします。
一方で、英文法への理解がまだほとんどない場合には、下記のようなテキストでまず「英文法の基礎の基礎」を身につけることをおすすめします。

⑤『高校英文法ひとつひとつわかりやすく』

長文読解

①『全レベル問題集:英語長文6』(旺文社)
②『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
③『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)

これらは、ある程度の長さと難易度の長文に慣れるために、夏には取り組み始めたいテキストの一例です。
それぞれ、レベルを下げたテキストも用意されているので、もし「自分には難易度が高すぎる...」と感じる場合には、自分に合ったテキストから着実に取り組んでいきましょう。

④『パラグラフリーディングのストラテジー1・2』(河合出版)

このテキストには、ある程度の英文解釈力が身についてから取り組むことをおすすめします。
パラグラフリーディングの基本を『1』で身につけ、『2』でトレーニングする形の内容となっており、長文問題の多い「社会科学部の英語」に必要な速読力を鍛えることができます。

英単語

①『ターゲット1900』
②『速読英単語 必修編・上級編』
③『システム英単語Premium』

早稲田大学「社会科学部の英語」では、かなりハイレベルな語彙力が必要となります。
上記に挙げたような英単語帳を周回し、基礎単語〜難読単語までの知識を入れておきましょう。
ある程度上記のような単語帳を暗記した後は、過去問や模試の中で出てきた「分からなかった単語」や「分からなかった英語表現」をひとつひとつ潰していきましょう。

⑤『過去問』

過去問演習は何より大切な対策です。
できるだけ多くの過去問に取り組み、傾向をつかみ、受験本番までに合格点を取れるように対策していきましょう。

まとめ

ここまで、早稲田大学「社会科学部の英語」の「出題傾向」「対策ポイント」「おすすめのテキスト」を見てきました。
社会科学部で出題される、数多くの長文を読み解くためには、「英文法の知識」「高い語彙力」「長文速読力・精読力」が必要です。
上記の情報が、早稲田大学社会科学部を受験するあなたのお役に立てば幸いです。