1.早稲田大学人間科学部の英語、大問ごとの対策法3つ

それではここから、早稲田大学人間科学部の「英語」大問①から大問③それぞれの具体的な対策法についてお伝えいたします。

1.1.大問①「短めの長文読解、8題」への対策法

まず、大問①「長文読解8題」の対策法は、2つあります。それは、「幅広いテーマの英文(特に時事問題系)に慣れること」「2000語を超える英語長文を集中して読み解く力を鍛えること」です。まず、なぜ「幅広いテーマの英文(特に時事問題系)に慣れること」が必要かというと、「8題の英文が出題される」ということからも分かるように、最低8種類の話題が出題されるからです。実際に2021年度文系方式の入試では、「SNSに関わる個人情報の取り扱い・プライバシー」「地球にあるクレーター」「LGBT」「人間の発音、話し方の変化」「電動キックボードの危険性」「タバコの危険性や販売取り扱い」など、非常にさまざまなテーマが出題されています。「人間の発音や話し方」「地球にあるクレーター」などについては、予測して勉強しておくことは難しいですが、「SNSに関わる個人情報の取り扱い・プライバシー」「LGBT」「タバコの危険性や販売取り扱い」などは時事的な社会問題といえます。次に「2000語を超える英語長文を集中して読み解く力を鍛えること」という対策法の根拠は、人間科学部の大問①の英文を合計するとおよそ1800〜2000語になるためです。なので、大問①については、幅広いテーマの英文に触れながら、特に「時事的なテーマを取り扱った長い文章を、時間内に読み解く練習」を重ねておくとよいといえるでしょう。過去問だけでなく、『難関大合格に必須の最新テーマ20 FINAL時事英語[新訂版]』などの参考書を使用して、対策をしていきましょう。

1.2.大問②「前置詞の空所補充」への対策法

大問②の「前置詞の空所補充問題では、前置詞についての基礎的な知識だけでなく「前置詞を含むイディオムを覚えているか」ということが問われています。
しかし、「前置詞を含むイディオム」と聞いても、あまり具体的なものが思い浮かばない、という方も多いかもしれません。以下で、「早稲田大学人間科学部「英語」で実際に問われた前置詞を含むイディオム」の例を挙げているので、参考にしてみてください。

・実際に出題されたイディオム(一例)
bring out(〜を引き出す)
call off(〜を中止する)
elaborate on(〜を詳しく述べる)
aside of(〜のそばに)
coming-of-age(成人年齢)
on account of(〜の理由により)
at length(ついに、ようやく)
on the face of(〜にもかかわらず)
by profession(職業は)

上記のように、「aside of(〜のそばに)」といったものから、「elaborate on(〜を詳しく述べる)」といった難易度の高いものまで、幅広く出題されています。大問②全体の難易度としては、かなり難しいといってよいと思います。ですので、大問②の対策として、『システム英熟語』など、熟語・イディオムに特化した単語帳を使用することをおすすめします。それに加えて、模試やテスト、過去問で一度間違えたイディオムを、次は正解できるように暗記しておくことも大切です。

1.3.大問③「語法の正誤問題」への対策

「語法の正誤問題」では、高いレベルでの英文解釈能力が問われます。この大問③は、短文の中に誤りがないかを選ばせる問題なのですが、「誤りがない場合はEを選べ」という選択肢があるために、より正確に英文構造を把握しなければならず、設問難易度はかなり高くなっています。実際に出題された問題としては、・「go to abroad(海外へ行く)」というセンテンスにおいて、「abroad(海外へ)」は副詞であるため、「to」は必要ないといった比較的基礎レベルの出題から、
・「Has it not been for 〜」が、仮定法かつ主語と述語が倒置している「もし〜がなければ」という意味であると知っているか(もともとの形は「If it had not been for〜」)といったハイレベルな問題まで、幅広く出題されています。なので、分詞構文や仮定法過去のような高度な文法まで理解した上で、それらの文法の特殊な用法についても学習する必要があります。そういったハイレベルな文法問題にも対応できる力をつけるために、早稲田大学レベルの英文法をしっかりとおさえることのできる『大学受験スーパーゼミ 全解説 頻出英文法・語法問題 1000』や『関正生の英文法ポラリス[3 発展レベル]』といった英文法参考書を何周かしておくことをおすすめします。

2.早大人間科学部の対策は「イディオム」対策がカギ!

「長文読解対策」「前置詞のイディオム対策」「英文法対策」と述べてきましたが、早稲田大学人間科学部「英語」を対策する上で、特に欠かせないのは「前置詞のイディオム対策」です。「前置詞のイディオム」は、人間科学部独特の出題であり、多くの受験生が十分に学習できていない可能性が高い分野であるといえます。「長文」や「英文法」はどんな受験生も対策してきます。そこで、「長文」や「英文法」の対策だけでなく「前置詞のイディオム」の対策をすることで、他の受験生の一歩先を行くことができます。早稲田大学人間科学部に合った対策をし、着実に合格への道を歩んでいきましょう。