早稲田大学政治経済学部の入試に新しく加わった総合問題の対策として、これまで通り基礎学力を養う勉強を進めることはもちろん大切です。
さらにそれに加えて、自分の考えを文章にまとめ、表現する力を身につけるため、練習を重ねることが求められます。
はじめに
早稲田大学政治経済学部は、2021年から新試験の導入に踏み切りました。
200点満点のテストの内訳は、共通テスト100点満点、独自試験100点満点です。
今回は、独自試験である「総合問題」にスポットをあて、合格を勝ち取るためにはどのような対策が有効か伝授します。
ぜひ、今後の勉強の参考になさってください。
総合問題対策の重要性を知る
早稲田大学政治経済学部の新入試は、共通テストと独自試験の2種類の得点を合計して、合否決定がなされます。
共通テストについて、必須科目は、外国語・国語・数学ⅠA の3つです。
残りは、
◦地理歴史から1科目
◦公民から1科目
◦数学Ⅱ・数学B
◦理科基礎から2科目もしくは理科から1科目
のいずれかを選択する形となっています。
以上合計4科目の点数が、各25点に圧縮され、100点満点に換算されます。
このように、点数が圧縮されるため、あるいは受験者のレベルが非常に高いため、共通テストで差はあまり出ません。
独自試験である「総合問題」の出来が合否をわけると言えるでしょう。
よって、対策を十分に行う必要があるのです。
総合問題について(2021)
1科目のみで、100点満点のテストです。
試験時間は120分と、1科目のみの試験時間としては早稲田大学の中でも最長です。
日英両語による長文を読み解いた上で、解答する形式を採用しています。
2021年のテストは、問1が日本語によるデータ分析問題(45点)、問2が英語による読解総合問題(40点)、問3が英作文問題(15点)の大問3つで構成されていました。
過去問・サンプル問題を活用
総合問題対策の重要性はよくわかったものの、どのように勉強を進めれば良いかわからないという声があるかもしれません。
早稲田大学政治経済学部のこれまでの問題と総合問題を比較すると、一見全く違っているように思えます。
ですが、よくよく見ると、英語の出題傾向は似ていますし、日本語の問題も従来の現代文と通じるところがあることに気付きます。
よって、2021年以前の過去問を活用することは、有効です。
その際、当然時間を計るのですが、「制限時間内に解き終わる」ことを目標に解くのではなく、「どれだけ時間が足りなかったか、どういった部分に時間がかかりすぎていたか」を知ることに重きをおいて下さい。
その反省を活かして、次回からはタイムロスを削減できるように努めましょう。
解き終わった後は、特に論述問題や思考問題の解説を熟読します。
解き方があっているか確認し、次につなげられるように、自分の解答とのズレを把握することが大切です。
それに対して知識系の問題に関しては、再度出題される可能性は低いため、あまり時間をかけすぎず、軽く見ておく程度で大丈夫です。
サンプル問題や2021年度の問題を見る限り、難易度に大きな変化はなく、知識問題が減った分、逆に解きやすくなったという声もあります。
だからこそ、2021年以前の過去問に取り組んでおくことは、意味があるのです。
ただ、記述問題が増えたので、2021年以前の過去問に加えて、それに対応できるよう練習は必要です。
もちろん、サンプル問題や2021年の過去問を活用し、新しい問題の傾向を把握しておくことも大切です。
次に、2021年の総合問題の解き方について、詳しくご説明します。
それぞれの問題ごとの解き方について
(2021年過去問より)
1.データ分析問題
(45点満点、マーク問題+論述問題)
時間を有効に活用するために、論述問題の内容を確認してから読み進めるのがコツです。
それを意識しつつ読み進め、マーク式の問題の箇所にたどり着いたら、その場で解いてください。
問題数が少ない分、1問ごとの配点が非常に高いです。ミスしないように、普段から読み取りの力をつけておくことが大切です。
とはいえ、難関大学の問題ですから、答えに迷うものも出てくるでしょう。
その場合、いったん仮の答えを決めておいて、次に進む潔さが必要です。
論述問題は、200~300字という字数制限があり、また本文と図表に基づいて回答しなければならないので、自ずと書く内容は限定されます。
書くことがないという心配は無いでしょう。
2.読解総合問題
(40点満点、マーク問題+日本語による記述問題)
データ分析問題と同様、最初に記述問題を確認しておくことをおすすめします。
マーク式の問題に関しては、データ分析問題と同じく到達したら解いていくようにすると、タイムロスが防げます。
「正しくないものを選びなさい」といった問題であっても太字になっていないので、単純なミスをしないよう、日頃から注意して問題にあたる癖をつけておくといいですね。
マーク式の問題をこなしながら、記述問題の根拠となりそうなところに線を引き読み進めると、読み返す手間が省けます。
記述問題は、空欄補充形式なので、書く内容が明確です。
線を引いた箇所をてがかりに、解答を作成すると良いでしょう。
3.自由英作文
(15点満点)
与えられたお題に対して、賛成・反対とその理由を述べる一般的な英作文です。
過去問等で十分対策が可能です。
語数指定はありませんが、解答欄の大きさから、100~150語で書くと良いでしょう。
焦って「2つ以上の理由を挙げる」といった指示を読み飛ばしてしまっては、非常にもったいないです。
最初に必ず問題文を熟読するようにしてください。
20分程度で書き上げて、残りの時間で見直しをするのが理想です。
対策方法を伝授
問題形式が変わったとはいえ、土台となるのはこれまでの早稲田政治経済学部の問題と変わらず、基礎学力です。
普段受験勉強用に使用しているテキストや、問題集で、現代文や小論文の勉強をしっかり行いましょう。
また、英語に関しても、まずは基本となる力をしっかり養うことを念頭に置いてください。
特に英作文では、語彙力・文法を使いこなす力が試されます。
さらに、基礎的な数学力が求められることもあります。
日頃から政治経済はもちろんのこと、それ以外の分野の様々なテーマの文章を読むことも大切です。
その際、文章の構造に留意しながら読むようにしましょう。
データ分析問題対策としては、傾向の似ている慶応商学部B方式の論文テストが有効です。
ぜひ、活用してみてください。
何より、以前の問題形式と比較して、総合問題はより思考力・表現力が問われるものとなっています。
日本語でも、英語でも、自分の考えを文章にまとめ、論理的な整合性があるか添削してもらうことをおすすめします。
もちろん、1回ではなく何回か繰り返し、より完成度の高いものを目指しましょう。
まとめ
早稲田大学政治経済学部に合格するには、独自試験である総合問題について深く知り、その対策を行う必要があります。
今回は、過去問・サンプル問題の活用、2021年度過去問の解き方、具体的な対策方法についてご紹介しました。
これらを参考に、勉強をすすめてください。
相手をよく知り、正しく対策することこそが、合格への近道です。