早稲田大学理工学部の「英語」
早稲田大学「理工学部の英語」は、試験時間90分、配点80点の試験です。
早稲田大学は、国内の私立大学の中でも難関ということもあり、試験内容は非常に高度なものとなっています。
この記事では、早稲田大学「理工学部の英語」を理解し、対策していくために必要な「出題傾向」「対策方法」「おすすめのテキスト・参考書」といった情報をお伝えいたします。
「理工学部の英語」の出題傾向
早稲田大学「理工学部の英語」は、試験時間90分に対してかなり多くの文章量が出題されています。
過去問を参考にした、主な大問構成は以下のようになっています(もちろん変更が加えられる可能性はあります)。
Part2 整序問題
Part3 SectionA 空所補充
Part4 SectionB 整序問題
Part4 短文読解
Part5 語彙(特殊問題)
早稲田大学「理工学部の英語」の問題は、設問も含めすべて英語で記述されているため、本番で混乱してしまわないためにも、前もって十分な過去問対策をしておくことが大切です。
時間配分としては、「長文にできるだけ時間を割き、文法知識系の問題はできるだけ短い時間で解く」というのが基本戦略になると思います。
あらかじめ過去問を演習する際に、それぞれの大問につきどれくらいの時間がかかるのかをしっかりチェックしておきましょう。
長文で扱われるテーマとしては、科学系の専門的な文章が多いといえます。
文章量もかなり多いため、かなりの速読力・精読力が必要です。
文法知識などを問う問題については、標準的なレベルの設問も多いですが、語彙レベルは高いため、ハイレベルな英単語力を身につけておく必要があります。
「小問数の多い長文問題をいかに素早く解くか」が勝負の分かれ目となるでしょう。
それではここから、各大問ごとの傾向をお伝えします。
Part1 長文問題
長文の内容理解を問う問題です。
2021年度では、Text1、Text2、Text3と、長さの違う3つの長文が出題されています。
構造自体は標準的なレベルの文章も多いのですが、語彙力や文章の内容は非常に高度なので、高い読解力・精読力が必要とされます。
科学系の文章が多く、専門的な知識や専門的な単語力もある程度必要とされるため、過去問やハイレベルの英語長文テキストに取り組み、専門的な長文を読みこなす力を身につけておくことをおすすめします。
Part2 整序問題
文章の文脈に合うように、単語を正しい順序に並べ替える整序問題が出題されています。
基本的な英文構造の理解、イディオムの知識が必要です。
飛び抜けて難解な英語表現などが問われることはほとんどありませんが、基礎的な英文構造やイディオムへの理解はしっかりと問われます。
参考書やテキストなどを用いて、並べ替えの整序問題に慣れておくことをおすすめします。
Part3 SectionA 空所補充
Part3はSectionAとSectionBに分かれています。
SectionAでは、文章中の空所補充問題が出題されます。
冠詞、前置詞、副詞などの空所補充問題が多いため、英文法への理解を十分に身につけておく必要があります。
Part4 SectionB 整序問題
Part3のSectionBでは、複数のセンテンスを正しい順序に並べ替える、文章の整序問題が問われています。
論理的な思考能力が問われ、苦手とする受験生も多い問題ですが、接続詞や代名詞のつながりを見抜くことで答えが見えてくることもあります。
もし、文章の意味がうまく取れなくても、そこで諦めずに、接続詞や代名詞といったヒントをもとに回答を組み立てていくような練習もしておくことをおすすめします。
Part4 短文読解
Part4もSectionAとSectionBに分かれています。
ですが、そのどちらも比較的短い文章を読んで内容理解を問うような設問が出題されています。
SectionAでは、かなり短い文章を読んで状況を把握し、内容理解を問うような問題が扱われています。
一方SectionBでは、データも扱うような短めの文章が出題され、その文章に対する理解を問う設問が出題されます。
文章中に出てくるデータを活用する必要があるので、読みながら適切なメモを取っておくことが大切です。
過去問や英語長文テキストで十分に練習しておきましょう。
Part5 語彙(特殊問題)
Part5は語彙力を問う問題が出題されます。
「その語彙の意味を表す文章」が2つ示され、その語彙を考える設問なのですが、よくある「4つの単語から正解を1つ選ぶ」形ではなく、自分の頭の中から正解の単語を出してこなければ答えられないような問題となっています。
過去問で実際の設問を見ていただけるとわかると思うのですが、当てずっぽうや消去法で選ぶこともできません。
ですので、英単語をしっかりと頭に入れておくことが求められます。
全体の傾向
以上のように、早稲田大学理工学部の英語は「長文読解力」「論理的理解力」「英文法理解」「語彙力」のすべてにおいて高いレベルが求められる試験となっています。
できるだけ早い時期から、それぞれの能力を並行して磨いておくことが大切です。
また、過去問をできるだけ早い時期に見て、「今の自分のレベル」と「合格ラインのレベル」の差を把握しておきましょう。
その上で、優先順位を決めながら対策していくことが、合格への最短ルートになるでしょう。
「理工学部の英語」対策方法
早稲田大学「理工学部の英語」の対策としては、「時間配分」「長文読解」「英文法」「英単語」への対策が必要となります。
以下で、それぞれの対策についてお伝えします。
時間配分
90分という試験時間の中で、上記で説明したようなハイレベルな英文を読みこなさなければなりません。
なので、過去問に何度も取り組み、「それぞれのPartに何分かかるか」「どういった順で解けば試験時間内に解き切れるか」をあらかじめ十分に把握しておきましょう。
長文読解
非常にハイレベルな科学系の長文に慣れておく必要があります。
また、ただ読んで理解するだけでなく、データなどを扱いながら読む練習も必要です。
過去問にできるだけ多くあたるのはもちろん、ハイレベルの英語長文テキストを十分に演習しておくことをおすすめします。
英文法
早稲田大学「理工学部の英語」では、空欄補充問題などで、英文法の理解度をしっかりと問われます。
基礎的な英文法をかっちりと仕上げ、英語表現のイディオムなどもできるだけ多く覚えておくことが対策となるでしょう。
英単語
こちらも、できるだけ早い段階でハイレベルな英単語帳(「「理工学部の英語」対策におすすめのテキスト・参考書」で扱うような英単語帳)を1冊は学習し終えておきたいところです。
その上で、2週目3週目の仕上げに入りながらイディオム対策を行うことをおすすめします。
「理工学部の英語」対策におすすめのテキスト・参考書
ここでは、早稲田大学「理工学部の英語」対策におすすめのテキスト・参考書をお伝えいたします。
長文読解
②『イチから鍛える英語長文700』(Gakken)
③『英語長文PREMIUM問題集:Advanced/Top』(東進ブックス)
これらは、ある程度の長さと難易度の長文に慣れるために、夏には取り組み始めたいテキストの一例となっています。
それぞれ、レベルを下げたテキストもあるので、もし難易度が高すぎると感じる場合には、自分に合ったテキストから取り組んでいきましょう。
このテキストには、ある程度の英文解釈力が身についてから取り組むことをおすすめします。
パラグラフリーディングの基本を『1』で身につけ、『2』でトレーニングする形の内容となっており、速読力を鍛えることができます。
もちろん過去問演習は何より大切です。
できるだけ多くの過去問に取り組み、傾向をつかみ、受験本番までに合格点を取れるように対策していきましょう。
英文法
②『英文法ファイナル問題集 標準編・難関編』
③『ポレポレ英文読解プロセス50』
④『英文解釈の技術100』
英文法の基本的な理解がある場合には、上記のようなテキストを使い、レベルアップをしていくことをおすすめします。
一方で、英文法への理解がほとんどない場合には、下記のようなテキストでまず「英文法の基礎の基礎」を身につけることをおすすめします。
英単語
②『速読英単語 必修編・上級編』
③『システム英単語Premium』
早稲田大学「理工学部の英語」ではハイレベルな語彙力が必要となります。
上記に挙げたような英単語帳をある程度完璧にした後は、過去問や模試の中で出てきた「分からなかった単語」や「分からなかった英語表現」をひとつひとつ潰していきましょう。
まとめ
ここまで、早稲田大学「理工学部の英語」の「出題傾向」「対策方法」「おすすめのテキスト・参考書」についてお伝えしてきました。
上記の情報が、あなたの受験の助けになることを願っています。