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日本史の傾向【文化構想学部】

早稲田大学の文化構想学部を日本史で受験する人は多いでしょう。
本記事ではその日本史の傾向を分析しました。
じつは、文化構想学部の日本史は特徴的で、しっかりと対策をすれば高得点を狙えます。
本記事でその傾向を把握し、戦略的に合格を勝ち取りましょう。

早稲田大学の文化構想学部とは

文化構想学部は、文学部とともに2007年に設置(改組)された学部です。
場所は戸山キャンパスになります。
入学時に学科選択をせず、1年次は基礎教育を受け、2年次から専門課程(論系)に進級する1・3制をとっています。
また、早稲田大学は全体で見ると男性のほうが多いのですが、文化構想学部は2021年度現在で女性が6割近くを占めていることも特徴です。
2021年一般入試の倍率は約8倍で、非常に人気の高い学部であることがわかります。
文化構想学部の一般入試は、一般的な私大文系学部と同様「外国語・国語・地歴(日本史または世界史)」の3教科です(本記事では日本史選択についてまとめます)。
配点は外国語・国語の75点に対し、日本史は50点。
他の2教科と比べると配点は少なめですが、後述する通り、他学部に比べると文化構想学部の日本史は比較的易しい傾向があります。
ほかの受験生と合計点で差をつけないためにも、日本史では確実に高得点を狙いたいところです。
まずは、文化構想学部の日本史について、基本的な情報を把握しておきましょう。

文化構想学部の日本史 基本情報

試験時間は60分です。構成は、大問4つで作られています。
問題は選択式が6割、記述式が4割ほどです。
選択式は正文誤文判定問題が多く、記述式は空欄補充問題などが出題されています。
特徴の一つとしては、論述問題が出題されないことです。
また、記述式問題も用語を問われる程度なので、試験時間には余裕が出やすい傾向があります。
大問一つにつき10分程度で解いたとすると、20分の時間が余ることになりますね。
解答に悩む問題が出てきたとしても、とりあえず選択(もしくは記述)しておき、余った時間で見直すことで高得点を狙う方法をとる受験生が多いでしょう。

比較的易しいと言われる理由とは

早稲田大学は私大トップの名門校であり、その中の文化構想学部は倍率が高い人気の学部です。
しかし、早稲田大学の他学部の日本史試験と比べると、比較的易しい傾向があります。
最難関の政治経済学部では出題される論述問題がないことも理由の一つですが、一番の理由は、選択式の正文誤文判定問題の難易度がそれほど高くないと言われているからです。
もちろん他大学と比べるとレベルは高いと思いますが、出題内容のほとんどが教科書をしっかり理解していれば解ける内容となっています。
つまり、レベル感としては教科書レベル。
マニアックな問題が多いわけではないので、基本的な知識を漏れなく確実に身につけておくことがカギになりそうです。
しかし、通常の試験で問われないレベルの語句選択や記述を求められる問題も数問出てきています。
知らない用語が出てくることで、文化構想学部の日本史は難しいと感じる受験生もいるようです。
ただ、その用語も教科書の注釈まで読み込むことで対応できる問題がほとんど。
やはり、隅々まで広く学習しておくことが重要になるでしょう。
また、記述問題では用語を漢字で正確に答えるように指示されます。
「用語は覚えているのに漢字が書けない……」となってしまい、点数が伸びなかった受験生もいるようです。
これから対策を始める受験生は、用語暗記の合間に漢字を書けるかどうかチェックしておくことも必須です。
共通テストも選択式なので受験直前は漢字対策を忘れがちですが、他の受験生と差をつけるためにも、記述問題対策の時間はしっかり確保しましょう。

最大の特徴は「テーマ史」

ここまでは試験問題の構成についてまとめましたが、文化構想学部の日本史の最大の特徴は「テーマ史」で出題されていることです。
テーマ史とは、ある特定のテーマに絞った歴史の見方のことです。
出題される大問4つすべてが、このテーマ史で出題されています。
つまり、ひとつの時代に限定して出題されることがないため、苦手な時代を作ってしまうと点数が伸びにくくなってしまうのです。
文化構想学部の日本史を受験する場合は、通史の勉強がより重要になってきます。
過去の合格者も、まずは通史を勉強して、広く浅く流れをつかむことを最優先した勉強方法を取った人が多いようです。

出題されるテーマの傾向

勉強していないテーマで出題されたらおしまいだ……、と考えた人もいるでしょう。
しかし、出題されるテーマにもある程度の傾向があるので、安心してください。
じつは、文化構想学部の日本史は「政治史」の出題が半分以上を占めています。
確実に点数を伸ばすためには政治史の対策は欠かせません。
次いで「経済史」の出題も多い傾向があります。
政治・経済は通史を勉強する際にとくに流れに注目しておくとよいでしょう。
また、文化構想学部の学部特性を意識した「文化史」の出題が続いていることも見落とせません。
どの学部の対策にも共通していますが、その学部がどのような学生を求めているのかを一度考えておくのも大切です。
ほかにも、「交通」のような絞り込まれたテーマも出題されたようです。
こう見るとすべてを完璧に対策するのは難しそうですが、2019年の試験では令和の時代を見据えた「天皇と上皇」をテーマにした大問が出題されました。
あらゆるテーマをまんべんなく対策するのももちろん重要ですが、限られた勉強時間の中で、時世の流れからテーマを推測してみることも考えてみましょう。
ちなみに、テーマ史は立教大学でも出題されている傾向があります。
対策の一つとして立教大学の過去問にも挑戦してみるのもよいでしょう。

出題される時代の傾向

すべての大問がテーマ史で出題される文化構想学部の日本史は、通史の勉強が重要であることは明白です。
その中でも、出題内容の多くが古代~近世からである傾向があります。
広く時代をまたいで出題されていますが、近現代史からの出題は少ないのです。
この傾向は、早稲田大学の政治経済学部や法学部とは真逆ですので注意しましょう。
ただ、テーマや時代の傾向は違いますが、他学部で繰り返し出題されている頻出のテーマや用語は文化構想学部でも登場しています。
とくに、学部内併願者が多い文学部と教育学部については、数年分の過去問を解いておいて損はないでしょう。
ほかの受験生が解いている問題も対策しておくだけで、本番当日の自信にもつながるはずです。
いかがでしたでしょうか。
志望者が多く、例年倍率の高い文化構想学部の受験では、教科書レベルで出題される日本史で確実に点数を伸ばしておきたいですね。
他学部の傾向とは違う「テーマ史」での出題や、難しい用語を問われる問題の出題などから、初めて過去問を解くと「できなかった」と感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、出題の傾向は非常にはっきりとしています。
受験生は早めにこの傾向を把握して対策をして合格を勝ち取りましょう。
受験はがむしゃらに勉強をしても良い結果につながることはありません。
正しい情報を仕入れて、限られた時間の中で、合格までの最短経路を把握して勉強する必要があります。
本記事が少しでも受験生の参考になればうれしいです。